|ビル市場を知る|~ビル市場の現状と将来~
不動産の事業効率を高めるためのキーワードは、「大規模」あるいは「都市開発によるビジネス街区化」となります。
大手デベロッパーや不動産事業者が都市開発を進める中、都心5区では毎年20万坪以上のビルストック(貸床面積)が増え続け、ターミナル駅に近い条件の整った先鋭の大規模ビルには、大手企業が集約し、安定したリーシング状況が続いています。
一方、駅から遠い或いは耐震性に問題はないが老朽化が原因で集客に苦戦する大規模ビルでは、分割貸しによる集客への切替えで、中小ビルのターゲットであるテナントまでを吸収していますが、テナントの補完にはなるものの、想い描く収益目線には遠い状態にあります。
また、大規模ビルの建築ラッシュにより、二次的空室となってしまった中小ビルは、テナントを集客する術も少なく、今後も益々、経営が逼迫する傾向にあります。
長期空室が続き、資金余力まで弱まってしまうと、設備更新もままならず、契約条件の大幅な緩和等で、集客する以外に手段が無くなってしまいます。
ターミナル駅の一等地以外の多くのビルでは、今は直面していなくとも、既存テナントが退去した際には、前述した事態が近い将来、現実の問題として発生してくるのです。
また、東京都では、2020年代まで人口増加となる一方で、少子高齢化で生産労働人口は減少、2024年には65歳以上が30%を占める超高齢化都市となる統計も発表されています。(データ出所/国立社会保障人口問題研究所)
今後の、オフィスワーカー減少とビル市場の変化に対応する経営手法を早急に検討しなければならない状況にあることを認識しなければなりません。